皆さんこんにちはワールドジャンパーのAsamiです。
日本では緊急事態宣言が出されるなど、コロナウイルス(covid-19)の混乱がますます拡大していますね。
現在私が住んでいるドイツでは自宅待機命令(quarantine)が発動されており、必要最低限の買い物や仕事以外では極力外出を控えるように政府が呼びかけています。
スーパーなどの食料品のお店や、薬局以外は基本的に全て閉店中。
また、野外で同時に行動できる人数が決められており、最高で2人。
それ以上の大人数で集まることは許されていません。
ちなみに聞いた話によると、ドイツ国内で野外で数人が集まってバーベキューをしていたグループが警察に見つかり100万円を超える罰金を支払ったそうです。
日本ではそれほど規制はきつくないようですが、政府もいくつかの都市で緊急事態宣言を出すなどかなり本腰を入れてウイルスの拡大を防ごうとしている様子が伺えます。
さて本題に戻りますが、実は先日、体の不調を感じデュッセルドルフにある病院で診察を受けてきました。
結果的にはその不調はコロナウイルスや重篤な病気などではなく筋肉や骨の問題によって起きたものなのでとりあえずご安心を。
具体的にどんな症状だったかっと言うと、一年前頃から肋骨の中心部の隙間(心臓の辺りの表面部分)に運動をすると痛みを感じていました。
そしてその痛みが受診の数日前に突然圧迫感に変わり、常に心臓が締め付けられるような息苦しさを感じるようになったのです。
立ち上がったり歩いたりすると動悸のようなものを感じ、しまいには頭までグラグラめまいのようなもの感じるまでに…。
ただ世間はコロナで医療の現場も混乱していると思うし、診察に行っている途中でコロナウイルスに感染するリスクも怖く、正直なところ病院に行くことはなるべく避けたかったのが本心。
しかし違和感の部位が心臓の近くなだけに深刻な問題になりかねないのではと感じ、受診を決めました。
今回はそんなコロナウイルスとは関係のない症状だけど、コロナの影響で普段のシステムが少々ややこしくなってしまった医療の現場に紆余曲折を経てたどり着いた話について綴っていこうと思います。
先に言っておきますが、こちらの記事では病院内の状況と言うよりも、どのようにして診察してもらえる病院を見つけたかについて詳しく述べていきますのでご注意を。
もしコロナウイルス以外の症状をドイツの病院で診察したい、と考えている方のための参考になれば幸いです。
病院訪問日時 : 2020年3月23日
目次
近所のHausuartzt(かかりつけ医)に門前払いされる
1件目
まずトライしたのが、同居人におすすめしてもらったHausArzt(かかりつけ医)に行くことです。
ドイツではとりあえず何か不調を感じたら、このHausArzt(かかりつけ医)に相談し、その次の適切な処置を受けるための窓口として利用することができます。
広い分野の知識を持った専門医が在中しているため、誰もが気軽に訪れることができる町のお医者さんです。
早速アポイントメントは取ろうととりあえず電話をかけますが、繋がらない。
回線が集中しているのか、コールが鳴る前にぶつっと切れてしまう状態です。
オープンが朝の9時ということで9時を少し過ぎたぐらいにかけたのですが10回ぐらい試してもこんな感じ。
しばらく時間を置いてかけてみたらやっとスタッフが応答してくれました。
(そ、そんなことが必要なのか…)
残念ながら病院に行く習慣がないため、(今まで行ったのは接骨院orthopedicのみ)いまいちドイツの病院のシステムを把握していない私。
通話終了
ここで私が加入しているドイツの保険会社ケアコンセプト(Care Concept)に電話をかけます。
しかし先ほどのように、全くもって繋がりません。
時間を置いたりしながら30分ぐらいずっとケアコンセプト(Care Concept)の電話窓口の番号にコールしまくっていたのですが全く繋がらないため、諦めて例のHausArzt(かかりつけ医)に電話をかけ直します。
ここでもまた10分くらい繋がらず…
数回後のコールでやっと対応してくれました。
先程電話をかけた旨、保険会社に全く繋がらないという旨を説明したのですがドイツ語であまりうまくスタッフの女性に状況を説明できず…
マスクを装着してきてくださいね。
と名前と住所を聞かれました。
と希望を胸に実際に診療所を訪れてみますがこの後すぐにこの期待はすぐに儚く打ち砕かれます。
診療所への階段を登ったところで白衣、マスク、手袋と完全防備をしたスタッフがクリニックの入口を通せんぼしています。
先程電話したことや、体の不調がある旨をドイツ語で説明します。
※このとき訪れたのはKlinik(クリニック)、病院(Krankenhaus)とは別物
この混乱さえなければ簡単に医療サービスを受けられたであろうに、まさかのクリニックの中に入ることも許されず門前払いで一度家に帰ることを余儀なくされました。
(確かに私が無理やり押しかけてしまった感はあるけど、一応「来い」と言われたのにクリニックの中にさえ入れないなんて…)
医師たちも感染のリスクがあるため、ドイツのこのようなクリニックは患者との接触を可能な限り避けているのが現状のようです。
時刻はすでにお昼頃。
不安と体の不調もあり特に食欲がわかないのでグーグルマップで調べてKrankenhaus(病院)と名前がついている近くの病院の電話番号に片っ端から電話をかけてみる作戦に出ました。
なぜなら先ほどのように苦しい思いをして突撃したにも関わらずとんぼ返りなんて惨劇は絶対に避けたかったから。
こうなったら「コロナ患者以外の受け入れをしている」と言う証言を引き出すまではあくまで電話で確認のみ。
意地でも家から出ない!と言う覚悟で臨みました。
病院(Krankenhaus)に電話をかけてみるも、即断られる
Krankenhausと病院名の最後に付いているのに、とにかく何か違うらしい。
デュッセルドルフハインリッヒハイネ大学病院(Universitätsklinikum Düsseldorf)とは、私が住んでいるデュッセルドルフという街の一番大きな大学付属病院です。
デュッセルドルフ大学病院、緊急の場合の患者のみ受け入れ
3件目
淡い希望を持って早速ウェブサイトで該当の電話番号を検索してみます。
で、大学病院のウェブサイトのコンタクト(Kontakt)ページにかけてみるが、例のごとく繋がらず…。
ちなみにこちらのページ。
だったらこれでどうか!とそれぞれの診療科の番号の一覧ページから該当の科へ電話をかけてみることに。
しかしドイツ語の複雑な医療関係言語をGoogle 翻訳を使い翻訳しながら見てみるも、結局どの番号にかけるべきなのかよく分からず。
ここで新たな助っ人(同居人のドイツ人)が自室から起きて出てきたので、相談してそれらしい科を教えてもらうことに。
次に電話したのは、↓下記のページの「Kliniken」の中の一覧の上から二番目、Klinik für Allgemein-, Viszeral- und Kinderchirurgieという科です。
https://www.uniklinik-duesseldorf.de/patienten-besucher/klinikeninstitutezentren
心臓のあたりに痛みを感じ、少し呼吸が苦しいこと以外は通常時と同じ状態です。
同居人のドイツ人に聞いて見てもそれは絶対間違ってるよ、とのことなので、とりあえずそちらに電話をかけるのは却下。
アドバイスが雑すぎる…
と、ここでもっと的確なアドバイスがもらえそうな相談窓口の番号を大学病院のWebサイトで発見。
その名も
病気・入院時のサポートを日本語で行ってくれる相談窓口です。
大学病院のジャパンデスクから診療のヒントをゲット
4件目
万策尽きた状態だったので、藁にもすがる思いで電話をかけてみます。
(この時本当に不安に押しつぶされて泣きそうだった…)
一度診察を受けたくて色々な所に電話をかけたのですが、コロナの影響でどこもアポイントメントを取れず困っています。
大学病院の一般の科にも電話をかけたのですが、現在は緊急の場合のみの受け入れだそうです。
どこか診察を受けられる場所はないのでしょうか。
ご存知の通り、現在大学病院はコロナウイルスの影響で緊急病棟のみオープンしており、その他の一般の科は新たな患者を受け入れてはいない状態です。
一番確実なのは、直接デュッセルドルフ大学病院緊急病棟へ足を運び、「心臓が痛い」と医師に伝えることです。
一番最初に訪れたHausartzt(かかりつけ医)では直接足を運んでも”緊急”ではないからと言われ門前払いを食らいましたが、どうやらこちらの緊急病棟では意識のある私のような比較的軽い症状の患者でも受け入れてくれるそう。
また、現在電話で相談可能なHausartzt(かかりつけ医)に電話を繋げてくれるサービスがありますので、そちらの電話番号をお教えいたします。
この時教えてもらった電話番号は↓下記のページの116117という部分です。
https://www.uniklinik-duesseldorf.de/patienten-besucher/notfall
こちらはデュッセルドルフ大学病院内の医師ではなく、色々なHausartztに在中している医師に電話を使って症状を相談できるというサービス。
緊急病棟はHaus 4(4番の建物)にありますので、そちらの建物を訪れてください。
また、その他の現在開いている病院だと、
①ビルクの方にあるEvangelical Hospital Düsseldorf。
②デュイスブルクの方にある※※※病院(←残念ながら名前が上手く聞き取れず…)
③Oststraße(オストストラッセ)の方にある日本語で対応可能な日本人医師がいる病院
などがありますので、一度そちらに連絡をするのも一つの手です。
このような感じで現在営業している病院の候補をいくつか教えてもらいました。
こちらのデュッセルドルフの病院、実は知り合いが二人も詐欺まがいの事をされて大金を騙し取られたという話を聞いたことがあります。
一人は保険が下りるから心配ないよ、と医師に言われ10万円を超える検査を受けさせられたところ、いざ保険会社に問い合わせてみるとその内容ではカバーされないと言われ、全て自腹で支払いをする羽目になったそう。
もう一人は、ここの院内の歯科医を受診したら治療の精度が低い為に何度も詰め物が取れてしまい、その都度治療費を支払ったことで最終的に高額な請求をされた、というものです。
日本語で対応可能な医師がいる、という口コミからドイツに来てまだ日が浅い若者をターゲットにしているそうで、かなり悪質。
訴えようとしてもそんなお金もないし言葉も不自由だしでどうしようもなく、結局その二人は泣き寝入りを余儀なくされたそう。
場所はDüsseldorf Oststraße(デュッセルドルフ オストストラッセ) の匠(ラーメン屋)のすぐ隣にある病院です。
これからこちらで診察しようと考えているデュッセルドルフ在住の方がいましたら、くれぐれもご注意を。
もし自分も被害にあった、とか自分は問題なかった、などの経験談がある方はぜひ下のコメント欄で情報共有をお願いいたします。
日本語で話しをしてもらうことがこんなに素晴らしいことだなんて…と心の底からジャパンデスクの方に感謝。
とりあえず、先ほど教えてもらったHausartztの相談窓口に電話をかけてみます。
電話で相談可能なHausartzt(かかりつけ医)に電話を繋げてくれるサービスを利用してみる
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数回のコールの音、ドイツ語で自動音声が流れ始める。
全て正確に聞き取れなかったけど、コロナの場合などの症状によって違う番号ボタンを押させるシステム。
自動アナウンスで質問されたことは確か、
そうでない場合はこのままお待ちください。
住所の郵便番号を押してください。
だったはず。
スマフォのキーボードを表示させて郵便番号を打ち込んだ後、そのまま待ってみることに。
5分は待たなかったでしょうか、しばらくすると男性の声で応答がありました。
私、なんか選択肢間違えた・・・?
そちらは、夜間のみの営業のため本日は18時からオープンです。
なのでその時間まで待つか、現在開いている病院があれば他の病院に行ってください。
その時の時刻は13時ぐらい。
夜まで待つのは可能だけど、もし日中に診察できるのならそれに越したことはない。
先ほど大学病院のジャパンデスクにあげてもらった他の病院候補にとりあえず電話してみて、もし同じように受け入れされない場合は大学病院の緊急診療科に直接行こう。
という考えに至りました。
今まで病院に受け入れられる気配すらなかったので、この時ようやく具体的な解決策が見えてきた感が…
少し安心。
受け入れ可能な病院をやっと見つける
6件目
先ほどのデュッセルドルフ大学病院のジャパンデスクの方に教えてもらった病院候補の中のEvangelical Hospital Düsseldorf(エヴァンジェリック ホスピタル デュッセルドルフ)に電話をかけてみます。
ウェブサイトはこちら↓
https://www.evk-duesseldorf.de/
(ちなみに、うちからも電車一本でアクセスできる素晴らしい立地)
早速ウェブサイトを開いてみてアポイントを取るために電話をかけてみます。
こちらはすぐに女性が応答してくれてとほっと胸をなでおろす。
↑この時はとにかく自分の症状を診察してもらいたかったので、症状の説明をかなり直接的な表現に変更。
またたらい回しにされそうな予感を察知。
(↑さっき問い合わせた18時からオープンのHausartztと間違えて伝えてしまった)
スタッフの声のトーン的に、私の押しの強さに負け「やれやれ」といった感じで折れた感がすごかったですが…
こっちも必死なので申し訳ないと思いながら早速必要書類を持って病院に向かいます。
(また門前払いされたら心労で泣きそう…)
という不安を抱きながら病院に無事到着。
本日二軒目の病院に訪れ、診察を受ける
この病院、コロナの影響で入り口が完全に封鎖されていて、入り口でサービスカウンターのスタッフ(ガラス越し)にボタンを押してもらわないと扉が開かないシステムになっていました。
カウンタースタッフに心臓のあたりに違和感を感じることを伝え扉を開いてもらいます。
中でももう一度、心臓のあたりに違和感があるため診察してほしいこと、電話をしたけどアポイントメントは取っていない旨を説明しました。
用件を聞いた後に内線で別の場所に電話をかけ始めるスタッフの人。
(日本ではマスクをつけて病院に行くなんて当たり前の習慣なのに、こちらではこんなに警戒されるんだ…)
とりあえず門前払いは免れたようで一安心。
で、結論から言うと緊急病棟なだけあってこの後すぐに血液検査や心電図などの診察を受け、深刻な病気ではないことを診断してもらいました。
少し長くなってしまったので、この続きの診察の詳しい話についてはまた次の記事で綴っていきます。
とりあえず、今回の教訓は
(その情報に詳しい関係者に相談できればベスト)
②断られても簡単に引き下がらない。ダメな場合は次にどの行動に出ればいいかを聞き出す。
といったところでしょうか。
ちなみに病院内は隔離を徹底しているようで他の患者に会うことは一度もなかったです。
コロナの患者の対応で慌ただしく院内を走り回る医師たちを想像していったのですが、特にそんなこともなく採血の結果待ちの時には廊下から彼らの雑談や笑い声が聞こえました。
それが逆に私の心を落ち着かせてくれたり。
世界で身を削って私たちの健康を守ろうとしている医療従事者の方達に感謝すると同時に、1日でも早くこのコロナウイルスの騒ぎが終息し、誰もが安心して暮らせる世の中に戻れるよう祈っています。
ではでは。
物凄く大変でしたね。ドイツってこういう対応って結構あるなというのが私も経験から言えます。ドイツのこういう面は、ほとほと嫌になります。病院に来て下さいと言われてるのにかかわらず門前払いなど、こんな事あり得ないし、信じられませんね。本当に辛いですよね。日本だったら考えられないです!
コメント&優しいお言葉ありがとうございます。
nanaさんも似た経験をお持ちということで、お互い大変でしたね、、。
医療大国と呼ばれているはずなのに患者が負う精神的な不安は大きく、少しがっかりといった印象です。
人種などに左右されないように誰でも安定した医療サービスを受けられるようになるよう祈るばかりです。